墓石の彫刻デザイン集をご紹介!彫刻デザインの決め方も解説

2021年2月26日

お墓には、さまざまな文字や絵といったデザインが刻まれています。普段はそれほど気にかけない方も多いかも知れませんが、そこにはさまざまな種類やルールが存在しています。
この記事ではそんなお墓の墓石に刻まれている彫刻デザインのポイントや彫刻の技法、実際の墓石の彫刻デザインを決める手順などを詳しく解説します。墓石の購入やデザインを検討する際にぜひ参考にしてください。




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墓石の彫刻のデザイン集


墓石の彫刻には色々な種類のデザインが施されています。ここでは、文字の書体やモチーフの彫刻、メッセージの彫刻、和型墓石の彫刻について解説します。

文字の書体

まずは、墓石に彫刻する代表的な文字の書体を4つ紹介します。

・楷書体
楷書体(かいしょたい)とは字を崩さずに表記した文字体です。一画一画が丁寧に書かれており、とめやはねなどの筆使いがしっかり残っています。続き字にはせず、一文字がはっきりと活字のように独立しているので、誰でも読みやすく人気があります。

・行書体
行書体(ぎょうしょたい)は漢字書体の一種です。楷書体を少し崩したような文字体で、やや続け字気味に書かれた文字が印象に残ります。筆遣いがより濃く残る書き方が特徴です。行書体の方が楷書体よりも曲線的で温かみのある形なので、文章や詩の一節などを刻むのに適している書体です。

・草書体
草書体(そうしょたい)とは行書体をより崩した速記文字のような形状の文字体を指します。草書体は曲線部分が多く、流動的で躍動感のある文字体が大きな特徴です。ただし、文字と文字を続けて大きく形を崩すなどの省略の仕方をするため、解読が難しい場合が多い点には注意が必要です。執筆者によって文字の書き方が幾通りも存在します。

・隷書体
隷書体(れいしょたい)は、やや平たい形をしており、波打たせるような押さえつけた筆跡が特徴です。隷書体の歴史は古く、紀元前3世紀頃の中国大陸の公的な書簡などですでに使用されていたと考えられています。墓石に隷書体を用いると、中国の漢詩を感じさせる素朴で古風な雰囲気になります。

モチーフの彫刻

墓石には文字以外にも絵画やイラストなどのモチーフを彫刻できます。人気の高いモチーフを見ていきましょう。

・花
花のデザインは数多く存在しますが、中でも桜やバラ、ひまわり、ユリなどが人気です。花の柄は特に女性から好まれる傾向にあります。

・ペット
ペット共葬であれば、動物の柄も用いられます。犬や猫などご自身のペットのイラストと名前などをセットにして彫刻されるケースが多いです。

・故人の好きだったもの
故人の人柄を連想させるような、好きだった趣味なども彫刻できます。例えば、車やバイク・テニスのラケットなどを墓石に彫っても良いでしょう。彫刻したいデザインが決まっていたら、石材店にアイデアを話してみるのをおすすめします。

メッセージを彫刻する

墓石に彫刻する文字には多くのパターンがあるため、ここでは代表的な例を紹介します。

・漢字一文字
漢字一文字はインパクトがあり、ストレートに故人への思いを表現できるのが特徴です。心・愛・絆といった文字がよく採用されています。ほかにも、和・縁・願・夢・空・幸なども人気です。

・言葉
もちろん、2文字以上の言葉も墓石に彫刻できます。「誠実」や「希望」、「一期一会」などが主流です。また、少し長い言葉であれば、「心やすらかに」などがよく採用されます。

・オリジナルのメッセージ
墓石の文字は自由に選べるため、オリジナルのメッセージを彫刻される方もいます。例としては、故人が音楽好きな方であれば「Harmony」、乗り物が好きな方であればバイクの形をした墓石に「風」といったメッセージが挙げられます。

和型墓石の彫刻

和型墓石では、家名・お題目・家紋が彫刻される場合が一般的です。それぞれどのような内容なのか見ていきましょう。

・家名
一般的に多く見られる和型墓石には家名が刻まれています。「○○家乃墓」といった形で宗派に限らず広く日本で使用されています。

・お題目
寺院の宗教や宗派によってはお題目を墓石に彫刻する場合もあります。お題目は宗教や宗派によって異なりますが、日蓮宗であれば「南無妙法蓮華経」と彫刻されます。

・家紋
日本の家紋は千年以上の歴史があり、墓石にも彫刻されます。水鉢や香炉などの付属品に刻まれる場合も多く、「五三桐」・「左三つ巴」・「木瓜」などが代表的です。



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墓石の彫刻の技法


墓石の彫刻のデザインは実に多様です。そうした豊富なデザインを可能にしているのが彫刻のさまざまな技法です。ここでは代表的な墓石の彫刻の技法を解説します。

通常彫り

最も一般的な文字彫りが通常彫りです。墓石正面の大きな文字を彫る際に用いられます。筆を強く置く部分が深く彫り込まれ、力強くはっきりとした文字表現となっていることが特徴です。墓石に名前を彫刻する際には、通常彫りが使用されるケースが多いです。

線彫り

細い線を彫る技法を線彫りと言います。スジ彫りや淵彫りとも呼ばれます。花などのイラストの彫刻に活用される場合が多いですが、昨今では正面文字にも用いられることがあります。ただし、深みのある立体感を線に出すことは難しくなります。

枠彫り

文字やイラストの枠の部分を強調する技法が枠彫りです。サンドブラストで枠以外の部分を仕上げると、より綺麗に仕上がります。メッセージや言葉などを強調したい際によく用いられます。

サンドブラスト

サンドブラストは線の強弱や深さの調整などに優れる技法です。イラストや細かい模様などの複雑な彫刻を可能とします。彫刻の際は圧縮した空気と共に研磨剤をコンプレッサーの圧力で墓石に吹き付けて削る工法が用いられます。床面などの水平部分にも彫刻が可能なので、見た目の華やかさに加えて滑り止めとしての効果もあります。

立体彫り

イラストなどを立体的に彫る技法が立体彫りです。花柄であればまるで鎌倉彫りのような花弁の表現が可能です。職人の手作業とサンドブラストも組み合わせて立体的に仕上げる場合もあります。墓石が一層華やかに演出されます。

影彫り

プロの彫り師が専用のノミを打つ強弱で墓石に陰影を付ける技法です。点刻とも呼ばれ、まるで写真で写したようなリアルな表現が可能です。着色もでき、花・ペット・風景写真などの影彫りに使われます。

お墓の文字のペンキ、金箔入れ

ペンキや金箔を墓石の文字やイラストに入れることも可能です。この際、ペンキよりも金箔の方が剥がれにくく長持ちする特徴があります。生きているうちに戒名を授かった方が存命中にお墓を建立した場合は、戒名の一部を朱色にする場合もあります。

ビシャン加工、小叩き仕上げ

ビシャン加工とはエアーハンマーで墓石の表面を叩いて細かい凹凸を作り、自然の風合いを出す粗面仕上げを指します。小叩き仕上げも似ていますが、こちらもエアーハンマーを用いて平行線状に細かな刻み目をつける粗面な仕上りが特徴です。デザインとしても採用されますが、雨やで滑りやすい部分を滑りにくくするための実用的な用途もあります。

象嵌(ぞうがん)

墓石に別の石をはめ込んでゆく高度な技法が象嵌です。墓石に文字を埋め込むなど印象的な墓石に仕上げられます。故人が好きだった花の柄などを象嵌で描き、いつまでも変わらない感謝の気持ちを表現できます。



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墓石の彫刻デザインの決め方


まずは依頼する石材店を決めて相談しましょう。墓石は家族で代々受け継いでいく大切なものなので、石材店の選定は重要です。実際に建立したお墓などを見せてもらい、出来映えや技術力をよく確かめましょう。実績やノウハウが豊富な石材店を選ぶと安心です。

石材店を決めたら、墓石の彫刻デザインについて具体的な相談をスタートします。まずは、ご自身の希望や故人に対する想いなどを率直に伝えてみることをおすすめします。すでにお伝えした通り、墓石の彫刻デザインは豊富でさまざまな表現が可能です。経験豊富な石材店であれば、ヒアリング結果から、いくつかの墓石のデザインの候補を提示してくれるはずです。気に入るデザインが見つかれば、そこから墓石の詳細を決めていきます。

彫刻可能なデザインにする

墓石のデザインを選ぶ際は実際に彫刻が可能であるか確認しましょう。数ある技法を駆使しても、中には想像通りにいかないケースもあります。例えば、墓石が古く彫刻できる種類が限られているものがあったり、石の種類によってはデザインの向き不向きがあったりする場合もあります。

デザインは墓石の印象を決める大切な要素です。石材店から提案されたデザインではなくこだわりのある独自性の高い彫刻を希望する場合は、早い段階で実現が可能か確かめておきましょう。これは実現が難しいデザインだと判明してしまった場合に、妥協できるポイントを探したり、代替え案を探したりする時間がかかるためです。

全体のバランスを考える

墓石の彫刻デザインを考えるのは故人への気持ちを表現する作業でもあるので、さまざまなアイデアが思い浮かぶものです。この時に気を付けたいのが、墓石全体のバランスです。彫刻デザインが気に入ったとしても、墓石全体で考えるとイメージと異なる場合はよくあります。墓石の色・大きさ・形など、お墓全体を構成する要素は多くあるため、デザインだけに集中するのではなく、最終的な完成形を意識しておきましょう。可能であれば墓石を設置予定の場所も訪れて、環境にもマッチしているか確認しておくと後悔のない彫刻デザインを選定できます。

石材との相性を考える

全体のバランスにも関連するところですが、彫刻デザインでは石材との相性も重要です。石材の種類も多くあり、色や模様が異なります。

石材は現物を見ながら気に入るものを判断していくと良いでしょう。実際に彫刻デザインがされた見本も展示されていれば、より具体的なイメージができるはずです。石材店の方ともよく相談して、デザインと相性の良い石材を選定しましょう。

彫刻にかかる費用

墓石の彫刻にかかる費用は10万円から20万円台が平均的な相場です。イラストを加える場合は別途5万円台から15万円台の予算が必要です。彫刻にかかる費用に影響する要素としては、お墓の故人の人数・実際に彫刻を彫る石材店、お墓の建っている墓地、霊園の種類、立地条件などです。デザインの内容よりも外的な要因によって彫刻にかかる費用は変わります。予算が決まっている場合は、事前に石材店などに相談しておくと良いでしょう。



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まとめ


墓石の彫刻デザインは文字の書体・モチーフの彫刻・メッセージなど、こだわれるポイントもさまざまです。故人への想いも人それぞれですが、気持ちを形にする墓石のデザインが可能です。そうした多様なデザインを実現しているのは数々の彫刻技法で、線彫り・枠彫り・サンドブラストなどが代表的です。実際に墓石の彫刻デザインを決める際は、石材店とよく相談してご自身の要望を形にしていきましょう。彫刻のデザインだけでなく、全体のバランスや石材との相性も考慮して検討するのがポイントです。

実際に墓石の購入や彫刻を検討している方は、ぜひ和泉家石材店までご来店ください。
和泉家石材店は千葉県でもナンバーワンの実績を誇る老舗の石材店です。在籍しているスタッフは全員がお墓ディレクター1級・2級を取得しているお墓のプロフェッショナルですので、お客様のご要望に合わせたご提案をさせていただきます。



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「心のかようお墓づくり」

和泉家石材店のスタッフはお墓を建てる時、そして そこから始まるおつきあいを気持ちよく、末永くさせていただきたいという気持ちから“心のかようお墓づくり”をテーマに心のこもったサービスの提供とお客様のニーズへの対応に全力で取り組んでいます。お墓を建てる時はもちろんのこと、法事の際などにも独自のサービスを提供しております。

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