仕事や結婚等の様々な理由で、居住している場所や実家が引っ越しをし、先祖代々からのお墓から遠くなってしまうことがあります。そうなると毎年のお墓参りが難しいものとなってしまいますよね。そんなときの解決策として、お墓をお参りしやすい場所へ移転させるということもできます。
お墓を移転する際の事務的な手続き
まず、新しいお墓の場所を決めます。移転先の墓地が見つかったらその移転先の墓地の管理者から許可をもらい、「受け入れ証明書」をもらいます。
次に移転元の管理者からも了承をもらい、「埋葬証明書」を発行してもらいます。
そして移転元の市町村役場で「改葬許可申請書」をもらい必要事項を記入します。事前に手に入れておいた「受け入れ証明書」と「埋葬証明書」を添えて「改葬許可申請書」を提出します。
そうすると役所から「改葬許可書」が発行されますので、それを移転先の墓地管理者に提出しましょう。これでお墓を移転する際の事務的な手続きは終了です。
※手続きに必要な書類は役所によって異なるので、移転元の市町村役場にお問い合わせすることをお勧め致します。
お墓を移転する際の宗教上の儀式や確認しておくべきこと
お墓の移転には事務的な手続き以外の手続きが必要になります。たとえば、今までの墓石をそのまま使用したい場合は移転先への確認も必要です。移転元に今までお世話になった感謝の気持ちとして挨拶へ行ったり、お布施を用意したり、移転元で遺骨を取り出す際には閉眼供養、抜魂供養を行います。移転先では、開眼、納骨供養を行います。
お墓を移転する際の費用
お墓を移転する際には様々な費用がかかります。
お墓を返還するときに、更地にするためのお墓の撤去費用がかかります。そして、移転先に今までの墓石を移せなかった場合は新しい墓石を買う必要があります。今までの墓石を新しいお墓へ移す場合は、墓石の運搬費がかかります。他にも、遺骨を取り出す際や、納骨の際にも料金がかかりますし、お経をあげてもらう際のお布施も必要です。お寺の檀家になる場合は入檀料や年会費もかかります。移転先によっては新しい戒名が必要な場合もありますので、その際はお布施が必要となります。
数年前の毎日新聞では、これらのお墓の移転に必要な費用の総額は平均して200~300万円となっていると書かれていたようですが事前に見積もりを頼んで、費用を確認しておくのがよいでしょう。