「家のお墓を継いだけど、実家やお墓は遠くてなかなか行けない…」
「毎年、お墓に行く交通費や宿泊費が嵩んで出費が大変…」
「両親のお墓が近ければ、もっと気軽に行けるのに…」
「自分も高齢だし、将来、子供たちにまで同じ負担をかけるのはかわいそう…」
「自分が死んだら、近くにお墓があるほうが、頻繁に子供たちが会いに来てくれるのに…」
「自分が亡くなったら、このお墓を継ぐ人がいない…どうしよう…」
などなど、若い頃はお墓が遠い事について何とも思わなかったのに、年をとるたびに、お墓に対する不満や悩みは大きくなっていきますよね。では、一体どうすればよいのでしょう？
お墓を移動させたいと思うワケ
お墓を移動させたいと思うワケ若いときに、進学や就職で実家から遠く離れた都会に出ても、親や祖父母はまだまだ元気で健在のことが多く、お墓に入っているご先祖様も、実際に会ったことがない場合も多いですよね。また、お墓を管理するのも自分ではありませんから、たまに実家に帰っても「お墓参り」が帰省の”ついで”であったことも多いでしょう。
しかし、年を重ねるうちに祖父母が他界し、育ててもらった近い人がお墓に入ることになり、お墓が身近に感じることができます。そして、自分も年を重ねて妻や子の「家族」ができます。親が元気で子供が小さいうちは、毎年のように帰省して実家の両親やお墓の祖父母に会いにいきますよね。しかし、子供が大きくなると帰省も毎年はしなくなります。
自分も高齢になれば、親の介護のため、親を近くに呼び寄せることが多くなります。そして、親が亡くなれば自分がお墓の所有者として引き継ぐことになります。お墓を引き継げば、お墓を管理する「責任」が生まれますし、親や祖父母も眠っていますから、自分が元気なうちは頑張って会いにいきます。
しかし、自分も年金暮らしとなり、昔のように思いたったら帰省するというような行動はできなくなってきますし、遠くのお墓に会いに行くのも大変…子供は自分が死んだら会いに来てくれるだろうか…となっていくわけです。
家の近くにお墓を移転する方法
≪改葬≫
一度お墓などに埋葬したご遺骨を、他の場所(お墓や納骨壇など)に移すことです。元にあったお墓は遺骨を移して魂抜きをし、墓石を処分して、もとの更地に戻します。「改葬」は、もとのお墓と次のお墓の管理側や、まわりの家族や親せきとトラブルになることが多いため、しっかり計画を立てて、まわりの理解を得たうえでじっくりと進めていきましょう。
≪分骨≫
ご遺骨の一部だけを移す行為を「分骨」といいます。
分骨は、先祖代々のお墓とは別の場所に遺骨を保管することですが、
- お墓が遠い場所にある
- 兄弟が先祖代々のお墓を管理しており、自分が入る墓にも両親を入れたい
- 遺骨を肌身離さず近くに置いていたい
- 遺骨の一部を宗派の総本山に分骨したい
など、以上のような方に向いています。しかし、分骨は本来のお墓がある場合におこなう行為です。本来のお墓があって、その所有者や管理者などが納得したうえでおこなうことです。
兄弟がお墓を受け継いでいるなどの場合はいいのですが、自身がお墓の所有者であり、分骨するのが”お墓が遠い場所にあるから”というだけの理由ならば、将来のことやこれからお墓を受け継いでいく人のことも考えれば、面倒くさがらずに分骨ではなく改葬することをおススメします。
結局は、遠方のお墓はどうすればいいの？
大変なのは、自分がお墓の所有者である場合です。せっかくお墓の維持費を払っていても、ちょくちょくお参りに行くこともできません。そして、自分もいずれそのお墓に入ることになります。そうしたら、同じ負担を子に負わせるのですか？また、継いでくれる人がいない場合はどうでしょう？
やはり、自分が死んだ後のことを考えると、残された人に負担をかけないようにしたいものです。『立つ鳥跡を濁さず』です。お墓が遠いまま残された人は、それがあなたの「遺志」だと思うしかなく、負担を受け継ぐか、故人の遺志に背いて何かしらの対処をするしかありません。そうなると、手間や費用もかかりますし、遺志に背いて嫌な事をおこなうのですから、残された人は”とんだ置き土産だよ”と、うんざりするでしょう。
逆に、”自分はこうしたい”という意思が明確で後始末もしっかりしていれば、残された人も”あの人は自分の考えを持ったすごい人だ”となっていくのではないでしょうか？また、せっかくお墓の管理料を払うなら、マメに会いに行ける距離にお墓があったほうがいいに決まっています。
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