石材で作られているお墓はあまり劣化しないものと思われていますが、よくよく見てみると、墓石に細かい傷・いたみがあったり、シミが出来ていたり、土台に隙間ができていたり、酸性雨の影響で墓石がざらついたりと、気になるところが出てくるものです。
先祖代々のお墓の劣化が気になったらどこへ相談したらよいでしょうか?ここではお墓の修繕建て替えをする場合の流れと費用をご説明します。
お墓の修繕と建て替えを考えるタイミング
頑丈かつよく研磨されている墓石でも、外に置いてあるものなので劣化や風化は避けられません。墓石に傷が見つかったり、目地の部分にシミやカビが発生しやすくなったりマメにお手入れをしてもなんとなく汚れが落ちない時などが修繕や建て替えのタイミングです。
目立った傷やヒビなどがなくても、地震などの影響で墓石と軸石と上台の間に生じる隙間が傷んだり、ゆがんだりしてしまうケースもあります。そんな場合は墓石の耐震を視野に入れたリフォームを依頼する人が多いようです。墓石に限らず香炉・花立・供物台等の付属品が劣化してきた場合でも修繕や建て替えのポイントとなります。
また、お墓参りする人が高齢化した為、スロープや手すりなど、バリアフリー化を目的とした修繕を依頼するケースもあります。修繕した方がいいかな、と思い始めたらまずは家族や親族に相談してみましょう。
お墓の修繕と建て替えの費用はいくらぐらい?
お墓の修繕と建て替えをしようと決めた時、気になるのはその費用です。基本的にはお墓の区画面積、工事内容、環境によって変動しますが、概ねの金額を下記に記してみました。
- 基礎工事(打ち直しなど)
100,000円~500,000円 - 石塔の一次撤去など
60,000円~100,000円 - 植木の解体など
5,000円~20,000円 - 付属品(香炉交換・灯篭・地蔵など)
5,000円~200,000円前後
これらをトータルすると修繕でおよそ50万円~、建て替えなどは大きさによって異なりますが、およそ200万円~ぐらいとなりますが、まずは担当者よりお見積もりをご提出させて頂きます。
お墓の修繕と建て替えまでの流れ(概略)
お墓の修繕と建て替えが決まった場合の流れは以下の通りとなります。
①現地調査・設計・見積もり
まずはお墓が実際にどんな状態になっているのか現地で調査し、どのように改修するか綿密に打ち合わせをした後に設計図を作成し、見積もりを出します。設計図は立体でイメージしやすいようにCADや3Dのものが主流となっています。
②契約
見積もり内容や設計図に納得したら契約です。
③文字彫刻打ち合わせ
お墓を建て直す場合は、墓石に彫刻する文字や家紋について打ち合わせをする必要があります。彫りなおし修正が利くものではないのでしっかり確認しましょう。
④閉眼供養(魂抜き)
ご住職にお願いして閉眼供養の後仏様を抜きとり、お骨を寺院に預かってもらいます。事情によっては業者で預かってもらうケースもあります。
⑤施工
契約内容に従って、修繕、建て直しの工事を行います。
⑥完成・お引き渡し
完成したらお引き渡しとなります。
⑦開眼供養(魂入れ)
ご住職に依頼して、開眼供養の後納骨を行います。業者でもこの作業を請け負っているところがあります。