お墓の引越しを徹底解説。改葬費用や必要な手続きをご紹介

2020年12月17日

「故郷から自宅付近の通える範囲に移したい」「引き継いだお墓にかかるお金を安くしたい」などの理由でお墓の引越しを検討している方もいるでしょう。しかし、具体的に引越しにいくらかかるのか、何からは始めればよいか分からない場合も多いはずです。
この記事では、お墓の引越しの費用相場や、メリット・デメリット、行政手続きまで詳しくご解説します。




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お墓の引越しとは


近年ではさまざまな事情からお墓の引越しを行うケースが増加しています。引越しには墓石とご遺骨を一緒に引越しする場合もあれば、ご遺骨だけ引越したり、分骨して複数箇所にご遺骨を引越したりするなどいくつか方法があります。この時、埋葬されているご遺骨を勝手に取り出して別の場所へ移転させることは、たとえ家族・親族であってもできません。ご遺骨を別の墓地へと移動させるためには、市町村役場で「改葬」とよばれる行政手続きを申請し、許可を得る必要があります。



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お墓の引越しを検討すべきケース

ところで、どのような人が引越しをすべきケースに該当するのでしょうか。一般的には「故郷が遠く、お墓参りが難しい」「複数あるお墓をまとめたい」「お墓を継ぐ人がいない」といった事情をお持ちの方が引越しを検討しています。

近年、お墓の引越しが増加傾向にあるのは、日本人の生活様式の変化が原因のひとつです。多くの人が故郷を離れて主要都市圏を中心とした生活を送るようになり、故郷に帰省する機会が減少すると共に、お墓参りをする機会も減っていると言われています。

さらに、核家族化や子供のいない家庭、そして高齢化社会が進んだことで、維持・管理が難しくなり放棄されてしまった膨大な数のお墓が日本各地で深刻な社会問題にもなっています。これはお墓の承継がされなかったことが原因で、権利が承継されずに放置されてしまった「無縁墓」はいずれ撤去されてしまいます。こうした状況から昨今では、権利者(承継者)・家族・親族に負担の少ない方法でお墓を維持するため、自宅近くに引越しをする方法を検討するケースが増加しているのです。



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お墓を引越すメリット


先祖代々続いているお墓を引越すことに対して、「故人に申し訳ない」と考えることは決して間違いではありません。しかし、実はお墓を引越すことには残された家族・親族のメリットはもちろんのこと、故人の供養を末永く続けることが可能になるというメリットがあります。

自宅の近くにお墓を設ける

故郷を離れ主要な都市圏に人口が集中している近年においては、お墓を自宅から通える範囲に引越すことで、定期的なお参りが可能になります。近年では、都市圏よりも比較的安価で、都市圏中心部からアクセスが良く、そして周囲も非常に静かな環境の郊外の霊園に人気が集まっています。

お墓の管理に関わる問題を解決できる

お墓には「お金」「承継者」「お寺」などの問題がつきまといます。特にお金の問題、霊園の使用料・維持管理費などが基本的には必要になるため、多くの人がお金の問題を解決するために引越しを検討しています。昨今では、都市部の郊外にかかるお金が比較的安価な霊園が人気を集めています。

承継者問題を解決できる

少子高齢化の現代社会において、お墓を引き継ぐ「承継者不在問題」が深刻です。先にご説明した通り、供養されずに放置されてしまった無縁墓の存在は今や全国各地で問題になっています。その対策のひとつが「永代供養」といった承継者を必要としない供養の方法に切り替えることです。従来のお墓から永代供養に変更することで、承継者不在問題を解決し無縁墓とならないようにすることができます。



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お墓を引越すデメリット


続いてはお墓を引越すデメリットについてもご紹介します。

親族の理解が得られない場合がある

お墓の引越しは承継者の決定があれば行うことができますが、時には家族・親族の理解を得られずにトラブルになってしまうことがあります。余計なトラブルを起こさないためには家族・親族を交えて検討を行い、しっかりと理解を得ることが重要です。

費用がかかる

お墓の引越しにはお寺の離檀料や、開眼供養などでまとまった費用がかかります。また、必要な費用の品目は多岐に渡り、お寺や霊園、そして石材店などと詳細な打ち合わせが必要となるでしょう。数十年に渡りお世話になるお寺・霊園・石材店との間でお金にまつわるトラブルは避けたいものです。しっかりと互いに意思疎通を行い不明瞭な点は事前に明らかにしておきましょう。



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お墓を引越す方法


お墓を引っ越す方法の主な方法には「遺骨のみ引越す」「遺骨と墓石を引越す」「分骨して引越す」などの選択肢があります。

遺骨のみ引越す

多くの人が「遺骨のみ引越す」という選択をしています。この方法では原則的には、今までの墓石は解体・撤去する必要があります。お墓を撤去し遺骨のみを引越す主な理由として、墓石・石碑の移転を禁止する受け入れ先が増えている、今の墓石の大きさが移転先の区画の広さに適していないなどが挙げられます。

遺骨と墓石を引越す

割合的にはそれほど多くはありませんが、ご遺骨と墓石を一緒に引越す方法もあります。この方法は元の墓所の区画の大きさと引越す先の区画の大きさが同一で、寺院・霊園が墓石の持込を許可してくれるなどの条件を満たしている必要があります。また、墓石の磨き直しなどの追加料金が必要になるため、他の方法で引越すケースのほうが多くなっています。

分骨して引越す

分骨は埋葬されているご遺骨の一部を取り出し、2箇所以上のお墓や納骨堂にご遺骨を納めて供養する方法です。「故郷のほか自宅近くの墓地でもお参りできるようにする」「兄弟それぞれのお墓で両親を供養したい」など、分骨する理由は多様です。



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お墓の引越しに必要な費用


お墓を引越すには、合わせて約300万円の費用と約半年以上時間が必要とされています。ここからは、費用の相場から内訳まで詳しくご紹介します。

総費用の相場

引越しに要する費用は以下の「移転元でかかる費用」「移転先でかかる費用」に大別されます。

お墓の引越し元でかかる費用の内訳

まずはお墓の引越し元で必要となる費用内訳と相場価格をご紹介します。

・離檀料
寺院が管理している墓地からお墓を撤去し、付き合いの合ったお寺の檀家をやめることを離檀といいます。離檀に際してはお布施を包むことが一般的であり、これを離檀料と言います。お墓の引っ越しにおける離檀料は、改葬手続き等でお世話になったことへの感謝の意を表したものです。お寺の方針や関係性によって上下しますが、離檀料の相場は約3~20万円とされています。

・墓石の解体・撤去費用
墓石の解体・撤去費用は、墓石の大きさ・墓所の面積に比例して高くなる傾向です。墓石の解体費用の相場は、1平方メートル当たり約10~15万円ほどです。この費用は墓石の形や墓所の面積や立地によって異なり、重機による作業ができないケースなどにおいては解体費用が高額になります。また墓石を処分するか、墓石も引越すかの違いによっても費用は変わってきます。

・閉眼供養
閉眼供養はお墓に宿る魂を抜き取り、お墓を普通の石に変える儀式です。お墓の引越しに伴いお墓を移動、もしくは処分する際に執り行います。閉眼供養を執り行うために必要なお布施の相場価格は、約3~5万円ほどです。檀家としての付き合いが長い、寺格が高い寺院などのケースではお布施の金額が高くなります。閉眼供養にあたり、どこのお寺の檀家でもなかったり、お寺が遠方にあったりする場合は、地元の葬祭業者やお墓を取り扱う石材店に相談することをおすすめします。

・運搬費用
ご遺骨と共に墓石も引越したいというケースもあります。墓石を引越すためには運搬費用が必要です。運搬費用は運送会社・運搬方法・距離によって異なりますが、運搬費用の相場価格は100㎞毎に約15~20万円ほどです。



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引越し先でかかる費用の内訳

次にお墓の引越し先で必要となる費用内訳と相場価格をご紹介します。

・永代使用料
永代使用料は墓地の区画を使用する権利を取得するための費用です。永代使用料の相場価格は約20~200万円ほどです。永代使用料は地価・立地条件・お墓の形態によって金額が大きく左右されます。

永代使用料は地価の影響を大きく受けます。例えば東京都心は地価が非常に高く、永代使用料は全国平均を上回る相場価格です。さらに、交通の便が良い場所や、寺格の高い寺院の墓地など立地条件の良い墓地の永代使用料は高額になる傾向です。そして、近年進んでいる墓地の形態の多様化も永代使用料の金額を上下させる要因です。墓石を建てる一般墓の永代使用料が最も高く、永代供養墓・納骨堂・樹木葬などの合同墓は比較的安価になります。

永代使用料の考え方で注意すべきポイントは、墓地の区画を「借りる」権利に対しての費用であって、区画の土地購入費用ではない点です。そして、永代使用料の「永代」には「子孫が続く限り永遠」という意味があります。したがって、永代使用料は子孫の墓地を使用する費用を含めて一括で支払う墓地区画の賃貸費用と捉えることができます。

・新しい墓石費用
新しい墓地に墓石を建てるための費用です。新たに墓石を建てる際の相場価格は約150~300万円ほどです。一般的には、費用の中に墓石の石材費用・彫刻費用・工事費用が含まれますが、石材店によっては内訳が異なる場合があるため確認を取ることをおすすめします。

・開眼供養
開眼供養は新しいお墓・位牌に魂を入れ、礼拝や供養の対象にする儀式のことです。開眼供養を執り行う際には閉眼供養と同様にお布施が必要です。開眼供養のお布施の相場価格は約3~5万円ほどです。



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お墓を引越す流れや手続き


引越し元・先でそれぞれ費用が発生していることがご理解いただけたかと思います。さらに、お墓を引越しさせる手続きにおいても、引越し先・元でそれぞれ必要な手続きが発生します。ここからはお墓の引越しの流れや手続きについてご紹介します。

改葬に必要な書類

お墓の引越し、改葬には市町村役場に申請し許可を得なければなりません。そのために必要となる書類は「受け入れ証明証又は墓地使用許可証」と「改葬許可申請書/改葬許可証」です。

「受け入れ証明証又は墓地使用許可証」は引越し先でご遺骨を受け入れてもらえることを証明する書類です。引越し先の霊園や寺院の墓地管理者の認印があるものが必要です。書類は寺院や霊園が発行する場合と市町村役場が発行する場合があります。

「改葬許可申請書」は市町村役場へ改葬許可を申請するための書類です。引越し元の市町村役場でもらいます。改葬許可申請書に受け入れ先証明証を添えて市町村役場に提出することで「改葬許可証」(申請書が許可証になります)をもらうことができます。

改葬の手順

1.墓地使用許可証の受け取り
まずは引越し元からご遺骨の受け入れ先となる墓地を探します。条件に合った好みの墓地が見つかったら契約をし、墓地の管理者に受け入れ証明証を発行してもらい受け取ります。

2.改葬許可申請書をもらう
受け入れ証明証を持参の上、ご遺骨が埋葬されている市町村の役場に行き、改葬許可申請書をもらいます。

3.改葬先の墓地管理者に認印をもらう
受け入れ証明証・改葬許可申請書を持参の上、引越し元の墓地管理者を訪ねて改葬許可申請書に署名と認印を押してもらいます。

4.市町村役場に提出、改葬許可証が発行される
再度市町村役場を訪ねます。受け入れ証明証を持参の上、墓地の管理者にいただいた署名と認印を押してもらった改葬許可申請書を提出します。問題がなければ改葬許可証(申請書が許可証になるので同一の書類です)が発行されます。

5.改葬先へご納骨
改葬許可証とご遺骨を持って改葬先の墓地を訪ねれば、新たな墓地にご遺骨を埋葬することができます。



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まとめ


お墓にまつわる問題は時に家族・親族間のトラブルに発展する神経質な問題です。今回ご紹介したお墓の引越しも例外ではありません。費用や手続きで余計なトラブルを招いてしまわないように、事前の準備と普段からのコミュニケーションが重要となるでしょう。

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「心のかようお墓づくり」

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