正しいお位牌の選び方
2018年1月20日
仏壇を置いている人なら、ほとんどの方が位牌を中に入れています。位牌には、故人の戒名や俗名が刻まれています。その歴史は、中国の儒教に由来しています。
位牌の購入をしなければならない時のために、位牌について基礎知識を身に付けておきましょう。
そもそもお位牌って何?
昔、中国の儒教で先祖祭祀のときに使われた木簡がはじまりだとされています。また、日本においては、江戸時代に生前の地位や姓名を木簡に書いて祀ったものが一般的でした。
位牌には、故人の戒名や法名、没年月日、俗名、没年齢などが刻まれます。位牌の大きさにもよりますが、1つの位牌に対して1人~2人の名前を記すこともできます。
位牌は強制して必要なものではないですが、残された家族やこれから家を守っていく子供たちの心の拠り所として目に見える形になっています。
無宗教でも持つことはできます。また、1人に1つの位牌という考えで複数持っていてもかまわないのです。
お位牌の種類
位牌は、ほとんどが木製で種類も豊富です。
・白木位牌
・漆位牌
・金位牌
・塗り位牌
・黒檀、紫檀位牌
・唐木位牌
・台座付き
・回出位牌(台座に板付き)
白木位牌は、忌明前まで使います。これを仮位牌といいます。忌明後は、白木位牌以外の種類の位牌にします、これを本位牌といいます。また、お寺の位牌堂に置く位牌は、寺用位牌として区別します。
すべての位牌は、壊れやすいこともあるので取扱いに注意しましょう。また、白木、唐木以外のものは、指紋がつきやすいのでむやみに触らないようにします。
お位牌の大きさ
3寸(約15cm)~6寸(約27.7cm)の大きさが一般的です。位牌の形は、宗派にとらわれず好きなものを選んでもよいのですが、仏壇に置くことを考えて購入しましょう。仏壇の内部の作りに合わせた位牌を選ぶことも大切です。置く場所は、仏壇の一番上の壇でご本尊様を中央に置き、位牌はご本尊様より低いものを向かって右側に置きます。
位牌を選ぶときのポイント
・ご本尊様より高さが低いもの
・仏壇のサイズに合わせる
・他に位牌があればサイズは揃える
・大きすぎない
位牌の購入時期と処理方法
位牌に刻まれる文字は、機械彫りと手彫りがあります。どちらも注文してから完成するまでに時間はかかりますが、手彫りは数日かかる場合もあります。位牌が必要になった場合は、余裕をもって早めに注文しておくとよいでしょう。
また、不要になった位牌は、菩提寺に持っていくとお焚き上げをして処分してもらえますのでお願いしましょう。
複数の位牌
前述したように、1人に1つの位牌を用意している方もいます。もちろんそれは問題ありません。ただ、あまりにも多くなり仏壇に置ききれない場合は、回出位牌などに変えて1つの位牌にまとめることができます。
古い位牌から魂を抜いて、新しい位牌に魂入れをしなければなりません。その際は、菩提寺の和尚に相談しましょう。
まとめ
位牌の色は、黒や紫檀色、金色などが一般的ですが、現在ではカラフルな色があります。また、デザインを重視しているものもあり見る人を楽しませます。その背景には、ペットの位牌として、または赤ちゃんや幼子の位牌として、若い世代をターゲットにしていることがあげられます。
仏壇や仏具は、かなり改良されて今の時代に合わせたものがつくられています。位牌もそのひとつです。
故人を偲ぶ気持ちは変わらずとも、残された家族がいつまでもその悲しみに浸ることなく前向きに生きていこうとする願いが位牌には込められているのです。その位牌を見つめ故人との時間に感謝、合掌することは、生きている私たちの使命といえるのではないでしょうか。