お墓のお供え物のルールとは?お供え物の種類やお供えしてはいけないものも解説

2021年2月24日

お墓参りのお供え物を選ぶ際に、お供え物に適しているものについて悩む方もいるでしょう。また、お墓参りをしたあとのお供え物の取り扱いについて迷う方もいるのではないでしょうか。

本記事では、お供え物に関するルールを解説すると共に、お供え物にまつわる疑問を解決します。お墓参りに馴染みがない方やお供え物の基本ルールを知らないという方は、本記事を参考にして故人の喜ぶお供え物を選んでみてください。




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お墓のお供え物とは


お墓のお供え物は、故人を偲び感謝を示すために供えるものです。お墓にお供え物をすることで故人の冥福を祈り、安らかに眠りにつくことを願います。 また、仏様やご先祖様に対して感謝の意を示し、ご自身が現世で元気に暮らしていることを伝えるという意味も込められています。ご自身がこの世に存在しているのは、ご先祖様あってのことです。今自分が生きていることへの感謝の気持ちとしてお墓にお供え物をしましょう。

なお、当然のことですが、肉体のない故人の霊がお供え物を口にすることはありません。そのため、お墓にお供え物をしたあとの片付けも大切です。



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お墓のお供え物の種類


お墓のお供え物の種類として、基本的な五供(ごく・ごくう)と呼ばれるものがあります。五供とは、お供え物の定番である香・花・灯燭の3種類に、浄水と飲食を加えた5種類を指します。ここでは、五供の種類や供え方のほかに、おすすめのお供え物をご紹介しましょう。

基本の五供と供え方

ここでは、お供え物の基本となる五供の種類と供え方、注意点などを解説します。

・香
「香」とは、香りがするもののことであり、主に「お線香」を指します。お線香がない時代は、「香木」という香りがする木を燃やしていました。お線香の香りには、心身を清める効果があると仏教の教えにあるそうです。墓前にお線香をあげると、清らかな身と心で故人やご先祖様に手を合わせることができます。また、お線香の香りと煙は、故人やご先祖様の霊にとってのごちそうです。つまり、お線香には、故人やご先祖様に食べ物を差し上げるという意味合いも含まれています。

お線香の供え方は、大きく分けて2通りあります。1つ目は、お線香を束ねたまま供える方法です。この場合、束ねたままのお線香に火をつけて決められた場所にお供えします。もしも、お線香が強く燃え上がった場合は、吹き消すのではなく静かに縦方向に振って火を消しましょう。

2つ目は、束ねられたお線香をバラして供える方法です。この場合、宗派によってお供えするお線香の本数が異なるため注意しなければなりません。例えば、天台宗や真言宗では、お線香を3本供えるというしきたりがあります。日蓮宗や浄土宗などの宗派ではお線香1本を香炉の真ん中に立てます。一方で、浄土真宗のしきたりでは、1本のお線香を2つに折り、寝かせて供えます。

・花
お墓にお供えする花は、故人の霊が宿る依代(よりしろ)と考えられています。かつて、仏教では、樒(しきみ)という毒を含む植物を用いていました。これは、日本で土葬が行われていた時代に、動物からご遺体を守るために毒のある植物を供えていたためです。

しかし、現代は毒や棘のある花や派手な色の花をお供えするのはタブーとされています。また、お供えするお花の本数は、奇数で揃えることが好ましいとされています。これは、古代中国より、偶数を陰数、奇数を陽数という陰陽思想から「陽を選んで陰を避ける」という意味合いがあるためです。

・灯燭
灯燭(とうしょく)とは、ロウソクに明かりを灯すことを指します。ロウソクの明かりには、主に3つの役割あります。

1つ目は、お墓の周囲を照らすことです。お墓にロウソクを灯すと、お墓参りに来た人の顔が故人の霊魂に認識されやすくなると言われています。

2つ目は、故人の霊魂をお墓へ案内する役割です。ロウソクの明かりは、この世における窓口のようなものです。故人の霊魂が、あの世という暗闇の中からお墓を探し出せるように明かりを目印にします。ロウソクの明かりにより、故人の霊魂は迷わずに現世に帰ることができます。

3つ目は、不浄を祓い清めることです。明かりにより自らの暗い煩悩を捨て、悟りに至るといわれています。なお、ロウソクをお供えする際には、墓石にロウが垂れないように、耐熱性のある小皿などに立てましょう。

・浄水
浄水とは、清らかで冷たい水のことを指します。浄水には、お供えした人の心や場を清める意味があると言われています。ほかにも、故人の魂や喉の渇きを癒すという意味もあるようです。清らかな水と言っても、ミネラルウォーターを用意する必要はなく、水道水でも良いとされています。ペットボトルや水筒などに水道水を入れて持参しても良いでしょう。

なお、墓地などに備え付けの水道から水を汲んでお供えしてもかまいません。ただし、お供え用の水を桶に汲む際は、お墓にかける水とは分けてください。浄水をお墓にお供えする際は、水鉢や水受けに注ぎましょう。

・飲食
飲食(おんじき)とは、文字通り食べ物を指します。飲食をお供えすることは、現在、ご自身が生かされていることに感謝するという意味が込められています。お墓参りでは、果物やお菓子などをお供えするのが一般的です。飲食をお供えする際には、懐紙などの上にお供え物を載せましょう。

故人の好きだったもの

飲食のお供え物として、故人が生前好んだ食べ物などをお供えするのもおすすめです。例えば、生前の健康状態などにより、節制していた食べ物などをお供えしたら喜ばれるでしょう。

また、酒やタバコといった嗜好品をお供えしても良いのか迷われる方もいるでしょう。基本的には、お酒やタバコなどの嗜好品もお供えしても良いとされています。タバコをお供えする際に、火をつけてお供えしたい場合は、周囲に気を使いながら着火して、吸い殻や灰などは掃除して帰りましょう。



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お供え物に関わるよくある疑問


これまで、お供え物の基本を解説し、五供と呼ばれるお供え物には、それぞれ意味や役割があることが分かりました。また、お供えの仕方について解説してきた中で、お供え物は持ち帰るべきなのか、造花をお供えしても良いのかなど、疑問が湧いた方もいるのではないでしょうか。ここでは、そんな疑問にお答えします。

お供え物の持ち帰りはするべき?

お墓に食べ物をお供えしたあとは、お供え物を持ち帰りましょう。お供えした食べ物を放置すると、腐敗して悪臭や害虫の発生源となります。それだけでなく、カラスや野生動物の餌となり、糞尿などで墓地が荒れてしまいます。そのため、お供え物は持ち帰るのが基本ルールです。

なお、お花も放置すると腐敗します。お花に限っては、お墓の管理者が回収する場合もあるため、管理者に確認して当日に持ち帰るかどうか決めることをおすすめします。日をあけずに定期的にお墓参りをする場合は、次回のお墓参りの際にお花を回収しても良いでしょう。

お供え物を食べても良いの?

お墓にお供えした食べ物を食べても良いのか、捨てるべきか悩む方もいるでしょう。実は、お供えした食べ物を食べることは供養の一環として扱われています。特に、墓前でお供え物を食べる行為は、故人と飲食を共にすることを意味します。墓前に飲食できるスペースがある場合や、墓地内に休憩所などがある場合は、故人を偲びながらお供え物をいただきましょう。なお、墓地に飲食できる場所がない場合は、持ち帰って食べることをおすすめします。

お酒を墓石にかけても良い?

お酒をお供えする際に、お酒を墓石にかけてはいけません。なぜなら、お酒を墓石にかけると、墓石を傷める恐れがあるからです。

また、浄水をお供えする水鉢や水受けにお酒を入れてはいけません。これも、変色や劣化などを招く恐れがあるからです。お酒をお供えする場合は、缶や瓶のままお供えするか、コップやお猪口などの容器にお酒を注いでお供えしましょう。

造花をお供えしても良い?

お墓に造花をお供えしてはならないというルールはありません。前述したとおり、お墓にお花をお供えしたルーツは動物や虫よけとして毒のある植物を備えていたことに始まり、その延長線で、現代でも生花をお供えしています。

現代においてお花を供えるうえで大切なことは、故人を大切に思い、花が枯れてお墓が荒れないように心がけることです。つまり、供養する気持ちがあれば、造花をお供えしても問題ありません。

ここからは、造花のメリットとデメリットをご紹介しましょう。造花のメリットは、主に2つあります。1つ目のメリットは、お墓が荒れないことです。生花の場合、お墓参りを終えてお花を放置すると、次のお墓参りのときまでお花を手入れすることなくお墓に置き続けることになります。特に、お墓の管理者がお花を回収しない場合は、花が枯れても置き続けることになってしまいます。その結果、花びらはお墓の周囲に散り、茎や水は腐り、お墓は汚れてしまいます。しかし、造花はこのような問題は起こり得ません。そのため、造花のお供え物は、定期的にお墓参りができないという方におすすめです。

2つ目のメリットは、お花の費用負担が軽減されることです。園芸店で生花を購入すると、カジュアルフラワーであっても一束300円~500円ほどかかります。定期的にお墓参りに行くという方は、お花にかかる費用負担が大きいでしょう。しかし、造花は一度購入すれば数年お供えし続けられます。汚れても水洗いするなどしてきれいな状態を保てます。定期的にお墓参りをするという方は、普段のお墓参りでは造花をお供えして、お盆やお彼岸の際には生花をお供えするといった使い分けをしてみてはいかがでしょうか。

一方で、デメリットとして、生花に比べると見た目に違和感があり香りがないことや、周囲の目が気になる場合があることが挙げられるでしょう。造花は、人工的に造られたものなので、色合いや質感が不自然な部分があるかもしれません。また、造花をお供えする人の数は、あまり多くありません。そのため、周囲から少し浮いた存在となってしまう可能性があります。



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お供え物にしてはいけないもの


お墓のお供え物として故人が好きな食べ物をお供えしたい方は、注意点が2つあります。五辛と呼ばれるものと、ナマモノを避けることです。ここからは、五辛とは何を指すのか、またナマモノはなぜお供えしてはならないのかを解説します。

五辛は避ける

五辛(ごしん)とは、ねぎ・にら・にんにく・らっきょう・はじかみ(しょうが・さんしょう)の5つの野菜を指します。五辛として挙げられている野菜の共通点は、「においが強い」「辛味が強い」という点です。古くから仏教において、においや辛味が強いものを食べることは、煩悩を刺激することから禁じられていました。仏教における精進料理でも、五辛を用いてはならないとされています。その名残で、現代でも五辛をお墓にお供えすることはタブーとされています。

ナマモノは避ける

お墓参りの際に、故人が生前好きだったお寿司やステーキをお供えしたい方もいるかもしれません。しかし、肉類や魚介類は「殺生」を連想させる食材です。

仏教には、「生き物をむやみに殺めてはならない」という教えがあります。その点から、仏教の精進料理にも、肉類や魚介類は用いられません。ゆえに、肉類や魚介類をお墓にお供えすることはタブーとされているのです。それだけでなく、魚や肉はナマモノにあたり傷みやすいです。特に、夏場は傷みの進行が早いため、お供え物には適していないという理由もあります。



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まとめ


基本的なお供え物は、お線香・お花・ロウソク・浄水・食べ物の五供です。五供には、それぞれ道案内や故人の霊魂にとってのごちそうなどという意味があるため、欠かさずにお供えすることを心がけましょう。なお、食べ物をお供えする際は、殺生を連想させるものや五辛と呼ばれるものを避けてください。これらの風習やルールを守ったうえで、故人の喜ぶお供え物をしましょう。

なお、お墓に関するお悩みがある方は、和泉家石材店にご相談ください。和泉家石材店は創業130年、千葉県No.1の実績を誇るお墓の専門店です。全社員がお墓ディレクター1級・2級を取得しており、強度や質の確かな石をご提供しています。また、安心のアフターサービスも充実しています。

「お墓の建立」「お墓のお引越し」「お墓のリフォーム」などをご検討中の方は、ぜひ一度、和泉石材店にお問い合わせください。



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