お墓にある塔婆が持つ意味とは?費用相場や処分方法も解説します

2021年1月27日

お墓の後ろに立てられている細長い板を「卒塔婆(そとば)」と呼びます。亡くなられた方の法要の際に立てることが多いですが、そもそもなぜ卒塔婆を立てるのでしょうか。
この記事では、特有のギザギザした形や、書かれている文字に込められた意味、そして、立てる際に必要な費用や処分方法などをご紹介します。




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卒塔婆の基礎知識


「卒塔婆(そとば/そとうば)」とは、亡くなられた方を供養するために用いる、細長い板のことです。「塔婆(とば/とうば)」と略して呼ぶこともあります。
卒塔婆の歴史は古く、古代インドの仏塔が起源とされています。その後、仏塔が日本独自の形に進化していき、現在の卒塔婆になりました。そのため、文字には古代インドの文字が用いられ、形には仏教思想が込められています。

歴史

卒塔婆は、古代インドで使用されていたサンスクリット語(梵語)で「仏塔(ぶっとう)」を意味する「stupa(ストゥーパ)」の音を、漢字に当てはめてできた言葉です。
仏塔とは、仏舎利(お釈迦様の遺骨)や灰を納めた塔のことです。仏教を創始したお釈迦様が入滅した際、その遺骨は8つに分けられました。そして、10の塔を建て、その塔の中に容器や灰土を納めて供養しました。
仏塔は、その後も細分化され数多く建てられました。仏塔が各地に広がると、塔に多くの人が集まり、仏塔や仏舎利への信仰もさらに広がりました。やがて仏塔が増えすぎ、仏舎利が不足すると、お釈迦様の弟子や、その遺骨、所持品なども仏舎利とみなすようになり、地域で独自に進化していきました。

日本の寺院で見かける、五重塔もこの仏塔形式の一つです。仏教では私たちの世界は、「空」「風」「火」「水」「地」の五大要素でできていると考えられており、五重塔は、この思想を基につくられています。一番下から「地(基礎)」「水(塔身)」「火(笠)」「風(請花)」「空(宝珠)」の順で建てられており、五重塔全体が仏教の宇宙観を表しています。

形に込められた意味

五重塔以外にも、古代インドの仏教思想を基に、日本で独自に進化したものがあります。それが「五輪塔(ごりんとう)」です。お墓といえば、縦長の長方形がよく知られていますが、江戸時代以前は五輪塔と呼ばれるお墓が一般的でした。灯籠のような形をした小さな五輪塔は石で作られた5つのパーツで構成されています。一番下から四角、球体、傘のような三角、半球、尖った球体の形をした石が積み重なってできています。五輪塔の5つのパーツも、五重塔と同じく「空」「風」「火」「水」「地」の仏教思想を表しています。

そして、この五輪塔を簡略化したものが卒塔婆です。そのため、卒塔婆は五輪塔と同様の仏教思想が込められおり、形も五輪塔になるよう切り込みが入れられています。

梵字の意味

宗派や寺院によって異なりますが、卒塔婆には「5つの梵字(ぼんじ)」「種子(しゅじ)」「戒名」「建立年月日」「年忌」「施主名」などが書かれています。

梵字とは古代インドで使用されたサンスクリット語(梵語)を表記すために、文字化したものです。卒塔婆上部に書かれている「5つの梵字」は、先ほどご説明した仏教思想「空」「風」「火」「水」「地」を梵字で表したものです。上から「空=キャ」「風=カ」「火=ラ」「水=バ」「地=ア」と書かれています。宗派によっては、「南無阿弥陀仏」(浄土宗)、「南無妙法蓮華経」(日蓮宗)など、その宗派で大切にしている言葉を書くこともあります。

・空
虚空とも訳され、無限の広がりをもつ空間を表しています。

・風
過去または未来の世に吹き滞りない、成長・拡大・自由を表しています。

・火
温め、熟成させ、穢れをも焼いて清める性質から、力強さ・情熱・欲求を表しています。

・水
色や形が表せず、変化に対し適応する性質から、流体・無定形を表しています。

・地
固く、動きや変化に抵抗する性質であり、大地や地球を表しています。



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卒塔婆を立てる目的


卒塔婆を立てることで、「善」を積むことができると考えられています。また、生きている人が行った「善」は、亡くなられた方の「善」にもなると考えられています。そのため、生きている人が、卒塔婆を立て、「善」を積むことが、亡くなられた方への冥福に繋がると考えられています。

追善供養のため

卒塔婆は追善供養のために立てられます。追善供養とは、亡くなられた方の供養をするために行われる法要です。法要とは、追善供養のために行われる、読経、お焼香、墓参りなど、仏教の行事のことです。

追善供養は初七日や四十九日に行われる「忌日法要(きびほうよう)」、一周忌や三回忌など、何年かおきに行われる「年忌法要(ねんきほうよう)」、お盆、お彼岸などに行われることが一般的です。

卒塔婆は親族によって立てられることが多いですが、友人など親族以外でも卒塔婆を立てることができます。枚数も特に決まりはなく、何本立てても問題ありません。

また、宗派によって卒塔婆の扱いは異なり、浄土真宗では、基本的に卒塔婆は立てません。浄土真宗では、阿弥陀如来様の力で、極楽浄土へ往生すると考えられています。そのため、亡くなられた方が仏になれるよう、供養のために立てられる卒塔婆は用いません。ただし、地域や寺院によっては、浄土真宗であっても、卒塔婆を立てる場合もあります。

立てるタイミングと向き

卒塔婆を立てるタイミングは、納骨、年忌法要、祥月命日、お盆、お彼岸(春・秋)などが一般的です。最初は納骨時に立て、その後は各法要時に新しい卒塔婆を立てます。
また、地域や宗派により異なりますが、餓鬼道に落ちた霊魂や、無縁仏などを供養する「施餓鬼法要(せがきほうよう)」の際にも、卒塔婆を立てることがあります。直接自分に縁はなくても、亡くなられた方の供養と共に餓鬼供養をすることで、それがそのまま追善供養となると考えられています。
卒塔婆は、立てる向きが決まっています。卒塔婆は五輪塔が基になっているので、5つの梵字が書かれている方が表になります。そのため、卒塔婆を立てる際は、5つの梵字が表になるように立てましょう。



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卒塔婆の種類


卒塔婆には様々な種類があり、「板塔婆(いたとうば)」「角塔婆(かくとうば)」「七本塔婆(しちほんとうば)」「経木塔婆(きょうぎとうば)」「梢付き塔婆(うれつきとうば)」などが存在します。一般的には、板塔婆を目にする機会が多いですが、地域や使用するタイミングで卒塔婆の種類が異なります。

板塔婆

私たちがよく目にする、厚さ1cm、長さ100~200cm程の細長い卒塔婆は「板塔婆(いたとうば)」と呼ばれています。一般的に「卒塔婆」と言うと、この板塔婆を示すことが多いです。地域によって長さに差があり、静岡県の富士市や沼津市では、40~60cmの小さい卒塔婆(花立塔婆)を用いることもあります。

角塔婆

木を四角柱に切り、厚さ10cm、長さ120~210cm程の柱型に加工した卒塔婆は「角塔婆(かくとうば)」と呼ばれています。墓石が完成するまでの間、お墓の目印として用いられることが一般的です。その他にも、寺院の新築や秘仏開帳の際に用いられることがあります。信州善光寺の本尊開帳の際に立てられる四角柱の回向柱(えこうばしら)も、この角塔婆です。

七本塔婆

長さが30~50cm程で、7本まとめて立てる卒塔婆は「七本塔婆(ななほんとうば)」と呼ばれています。初七日から四十九日まで、7日ごとに行われる法要の際に用います。7本を直立で並べることもあれば、扇状にまとめることもあります。立て方も地域によって異なり、最初に7本全て立てる場合や、1本ずつ順番に立てる場所もあります。また、7日経つたびに1本ずつ裏返したり、お焚き上げしたりする地域もあります。

経木塔婆

厚さ1mm、長さ27~36cm程で、板塔婆よりも小さくて薄い卒塔婆を「経木塔婆(きょうぎとうば)」と呼びます。経木塔婆は、経文や戒名などを書き、水に浮かべたり川に流したりするため、「水塔婆(みずとうば)」とも呼ばれています。寺院によっては川には流さず、本堂の壇上に置いて供養することもあります。生まれてくることができなかった赤ちゃんを供養する水子供養の際も、経木塔婆を用いることがあります。

梢付き塔婆

三十三回忌や五十回忌など最終の年忌法要の際に立てられる卒塔婆を「梢付き塔婆(うれつきとうば)」と呼びます。枝がついたままの生木を用いることから「生木塔婆(なまきとうば)」と呼ばれることもあります。地域や寺社によって異なりますが、梢付き塔婆を立て、年忌法要を終えると永代供養になることが一般的です。



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卒塔婆供養料の費用相場


卒塔婆を立てる際には、卒塔婆に梵字や経文などを書いていただいたお礼として、卒塔婆料を寺院にお渡しする必要があります。卒塔婆料は、「お気持ちで」と言われるお布施とは異なり、寺院で料金が定められている場合があります。相場としては、3,000円~10,000円程度が一般的です。

お布施とは別で用意する

卒塔婆料は、法要やお盆にお渡しする「お布施」とは別物です。そのため、卒塔婆料とお布施は別々に包むのが一般的です。お渡しする際は、「お布施」と書いても問題ありませんが、「御塔婆料」「卒塔婆代」と書くと、受け取った寺院側も分かりやすいでしょう。

渡し方のマナー

卒塔婆料は、卒塔婆を立てる当日に寺院へお渡しします。施主が用意するのが一般的ですが、施主意外の方がお渡ししても問題ありません。

お渡しする際は、半紙でお金を覆い、和紙でつくられた白く厚みのある奉書紙(ほうしょし)に包むのが、正式な渡し方です。しかし、最近では「御塔婆料」と印刷された香典袋が販売されているので、市販の香典袋を使用する方も多いです。また、郵便番号の枠が書かれてない無地の白封筒を使用しても問題はありません。

卒塔婆はお坊さんが前もって筆書きするので、寺院が余裕を持って準備できるよう、依頼する際は法要の直前ではなく、最低でも1週間前までには連絡しましょう。



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古くなった卒塔婆の取り扱い


卒塔婆を立てておく期間は、明確に決まっておりません。しかし、古くなった卒塔婆は、劣化して、倒れてしまう可能性があるので、状況に応じて処分しましょう。また、処分するタイミングや方法は寺院や霊園によって異なります。処分の際は、お墓を管理している所に一度確認しましょう。

処分するのが本来のあり方

卒塔婆は法要のために立てられ、功徳は1日のみとされます。そのため、法要が終わった次の日に処分をしても、問題はありません。しかし、法要後すぐに処分されることは稀であり、一般的には法要が終わった後、お墓に立てて供養し、次の法要まで取っておくことがほとんどです。
古くなった卒塔婆を処分するタイミングは、新しい卒塔婆を立てる時です。新しい卒塔婆を立てるまでは、墓石の後ろにある専用台に立てたままで問題ありません。しかし、文字がかすんだり、劣化してきたりした場合は、新しい卒塔婆を立てる前に処分しましょう。

処分方法

処分方法は寺院や霊園により異なります。寺院では、新しい卒塔婆がある際は、古い卒塔婆と入れ替えに回収してくれます。また、お彼岸が過ぎた後に寺院側が処分してくれる場合や、定期的にお焚き上げの日を設けている所もあります。

霊園の場合は、管理事務所に処分を依頼します。場所によっては、処分スペースを設けていたり、石材業者が持ち帰ってくれたりすることもあります。一般的に無料で処分してくれる所が多いです。しかし、墓地によっては有料のところもありますので、分からない場合は、管理事務所に確認しましょう。



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まとめ


卒塔婆は追善供養のために立てられます。生きている人が卒塔婆を立てることで、亡くなられた方の冥福を祈ります。卒塔婆の起源は、お釈迦様の遺骨が納められた仏塔です。そして、仏塔を基に日本独自で進化した五輪塔のお墓が広まり、五輪塔の形を模して卒塔婆が作られました。そのため、卒塔婆の形や文字には仏教の思想が込められています。今までなんとなく立てていた卒塔婆も、意味を知ることで、大切さを再認識できたのではないでしょうか。

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