お墓のサイズはどうやって決める?単位や平均値を解説

2021年2月24日

お墓というと、家名を刻む「竿石」が縦になっている和型墓石を思い浮かべる方も少なくないでしょう。しかし、現在では、お墓に対する考え方が変わりつつあり、洋型の墓石やオーダーメイドの墓石まで幅広く見られるようになりました。
大小さまざまな大きさのお墓が見られるなかで、この記事では、お墓のサイズをどのように決めるかに着目し、お墓のサイズを決めるための単位やお墓の種類、サイズを決める際に注意しなくてはならない点などについてご紹介します。




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お墓のサイズ


お墓のサイズは、お墓の本体である「墓石」と、お墓を建てる土地である「墓所」の2つに分けて考える必要があります。墓所の面積が広ければ広いほど大きな墓石が建てられ、墓所が狭いと墓石のサイズもその分小さくなります。お墓を建てる際には、墓石と墓所、2つについてしっかりと考えてプランを立てておくことが大切です。

墓所の面積

墓所の面積を測る際に使う単位には、いろいろな単位があります。間違えたり混同したりしないように、しっかりと覚えておきましょう。

・単位
まず、お墓自体の単位は「基」で表し、「1基、2基」というように数えます。お墓の広さは「㎡」(平方メートル、平米)で表すことが一般的です。

墓地の面積には、お墓の区域同様、「㎡」(平方メートル、平米)で表すことが一般的です。関東地方で主に使われ、不動産業界でも家屋の広さを表す単位として使用されていますが、内訳は不動産の場合とは異なり、「三尺四方」という測り方で1坪を表します。三尺四方とは、1尺(約0.9m)×1尺(約0.9m)=約0.81㎡を1坪とする測り方であるため、建物の広さの測り方とは異なります。1坪は、畳半分くらいの大きさです。

・一般的な大きさ
墓石の大きさは、一般的に竿石の幅で決められており、竿石が縦型でも横型でも同じです。

竿石が縦型になっている和型の墓石の場合は、「寸」という単位を使います。主流となっているのは8寸の墓石です。1寸は約3.03cmであり、8寸の大きさは約24cmになります。詳しくは後述しますが、洋型墓石の場合は「号」という単位を使います。

通常の場合、お墓の大きさには決まりはなく、霊園・墓地の規定の範囲内で、なおかつ墓所に収まるのであれば墓石の大きさも自由です。また、必ず8寸でないといけないというわけではありません。とは言っても、墓石の大きさは周りの墓石の大きさとなるべく揃えて、景観に配慮するように選ぶことをおすすめします。また、同じ墓所に本家のお墓がある場合は、本家のお墓よりも小さいお墓を作るようにしましょう。

墓石の大きさ

お墓には、大きく分けて3つの種類があり、それぞれ寸法の取り方に違いがあります。ここでは3つのお墓の種類と寸法の取り方についてご紹介します。

・和型墓石
和型墓石は竿石が縦になっているお墓で、日本においては江戸時代からこの形が主流となっています。竿石には家名が入り、その下に上台石、中台石と3段構造になっていることが特徴で、安定感がある見た目です。

和型墓石の大きさは、「尺貫法」を使って測ります。寸法は地域によって変わることがありますが、おおむね最上部の竿石の幅を規格としています。1尺は10寸で約30cmであり、1尺1寸角ならば約33cm(11寸)です。

和型墓石の一般的な寸法は「8寸角(24cm)」「9寸角(27cm)」「尺角(30cm)」と1寸ごとにサイズが分かれており、このサイズは、地域やお墓を作る店舗によって若干の差がある場合があります。また、竿石以外の部材は、竿石の幅に比例して寸法が変わっていくことも覚えておきましょう。

・洋型墓石
洋型墓石は西洋のお墓のように竿石が横置きされたお墓のことで、すっきりとした、気品のある印象を出すことができます。和型墓石とは異なり、竿石と上台の2段構造です。洋型墓石の竿石には家名だけではなく「ありがとう」といった言葉や、故人が好きだった言葉などを彫刻することができます。

洋型墓石の大きさは「号」という単位を使って表されます。竿石の幅を表す単位で、「寸」と大きさは変わりません。「18号」と表記されているなら「18寸(1尺8寸)」であり、54.5cmとなります。
「号」のほかに高さ×横×奥行きで表示されることもあります。大きさのサイズ区分は和型墓石のように明確にはされていません。

・デザイン墓石
デザイン墓石は、特定の基本デザインにとらわれない、いわばオーダーメイドのお墓のことです。近年は、建てる人や故人の思いを形にしたいという方が増えてきており、デザイン型の墓石も導入されるようになってきました。

大きさや形のほか、石材の色や種類まで自由に決めることができます。ピアノやギターなどの故人が好きだったものを形にすることも可能です。希望した形によっては尺を使って測るため、費用が高くなる可能性があります。

寸法にも決まりはないものの、まれに霊園や墓地、区画などで建てることのできるデザインが決められている場合もあります。お墓を建てたい墓所に理想のデザインが建てられるかどうか、管理会社や石材店に事前に確認しておく必要があるでしょう。



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お墓のサイズの決め方


お墓のサイズを決める際には、どういった点に考慮すべきなのでしょうか。カロートの大きさや永代使用料など、事前に考慮しておくべきことはたくさんあります。ここでは、お墓のサイズを決める際に考慮すべきことについてご紹介します。

カロートの大きさで考える

カロートとは、「納骨棺」や「石棺」などとも呼ばれ、墓石のなかにある遺骨を安置する場所のことです。普段は石の板などで塞がれていて、お墓を支える役割を持っているため、お墓のなかでも特に重要な場所になります。
カロートの大きさはお墓によって異なり、家族で使用していくための一般的なお墓の場合は幅60~70cm、奥行きは80~90cm、深さは70~80cm程度の大きさであることが多いです。夫婦のみで使用するなど、用途に応じてカロートの大きさは変動します。また、カロートには1段式、2段式、3段式といったように棚付きの形状をしているものもあり、段数の多いほど多くの骨壷を収めることができます。

地下に造るカロートの場合の費用は、1段式であれば石材費、工賃込みで10万円程度です。とはいえ段数が増えれば費用も高くなり、3段式ともなれば40万円ほどの値段になることも珍しくありません。
墓石と一体型の地上カロートの費用は、10万円~20万円が一般的です。地下に造るカロートよりも、カロートのための基礎工事などが不要な分、安価で造れることが多いようです。

永年使用料との関係で考える

永代使用料とは、墓地を永代にわたって使用するために支払う利用料金のことです。支払いをした本人のみならず、その子どもや子孫たちも使用権が引き継がれるようになっています。

永代使用料の支払いは、墓所を提供する寺院や霊園に対して行われ、その金額相場はさまざまな要因により差が出るため、確認しておきましょう。

たとえば墓所の広さによって永代使用料は変動し、墓所が広ければ広いほど高くなる傾向にあります。また、立地条件によっても変動し、交通の便やアクセスの良さは永代使用料に上乗せされる傾向にあります。同じ霊園であっても、区画によって永代使用料が変わることもあり、管理事務所や駐車場から近いところなどは、永代使用料が少し高くなるようです。

地域によっても永代使用料に差があります。一般的な平均は、およそ20万~200万です。特に東京都などの都市部は地価が高いことから、永代使用料が高い傾向にあります。お墓を建てたいと思っている霊園があるなら、その地域の永代使用料をあらかじめ調べておくといいでしょう。

墓石の価格で考える

お墓の価格は、お墓の工事料金や石材費によって決まります。石材にはさまざまな種類があり、国内産であるか外国産であるかによって価格帯も大きく異なってくるようです。

本御影石などの国内産の石材は希少価値の高いもので、人気もありますが非常に高価になります。見た目が美しいだけでなく、耐久性も高いため、値段は高いもののいつまでも長く使うことができるという点がメリットです。

外国産の石材でも天然の御影石は多くあり、見た目も国内産のものとほとんど見分けがつかないものも存在します。価格は国内産の石材に比べ、かなり安価に提供されています。また、近年は天然石によく似た見た目でありながら、天然石を使用しない墓石もみられるようになってきました。費用をかなり低く抑えることができるというメリットがありますが、耐久性は天然石を用いた墓石と比べると劣ってしまうということがデメリットになります。

無理をして高い墓石を買うのではなく、将来をしっかりと見据えたプランを立てて、価格と耐久性のどちらを優先するかを判断して決めるといいでしょう。
墓石にはだいたい150~300万円程度の費用がかかります。国産のブランド墓石ならば、500万円ほどの値段になるものも少なくありません。一方で、外国産の墓石は、一番値段の低いものでは50万円程度で買えるものも存在します。

お墓に対する価値観で考える

お墓を建てる際の墓石のサイズを決めるために、霊園の区画を購入したあとは、周囲に建てられている墓石のサイズを調べておくのがいいでしょう。先述した通り、お墓の大きさには決まりはありませんが、大きさは周りの墓石となるべく揃えて、景観に配慮するように選ぶことをおすすめします。

周囲の墓石のサイズに合わせないといけないというルールはないため、建てる人自身の価値観を尊重してサイズを選んでも問題ありません。ただし、周囲に比べて明らかにサイズが異なると不自然になってしまう可能性もあります。お墓の大きさは墓所の敷地面積に応じて、その範囲内で決めることが多いこともあわせて覚えておきましょう。



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現代は小さいお墓が人気?


かつては、親のために立派なお墓を建てようという考えから、大きなお墓を建てる人が多かったのですが、現在ではさまざまな事情から小さいお墓も人気になっています。ここでは小さなサイズのお墓が人気な理由と、小さいお墓のメリット、デメリットについてご紹介します。

小さなサイズのお墓が人気な理由

小さなサイズのお墓が人気である理由として、景気動向や少子高齢化核家族化などが挙げられます。
景気動向が上向く気配を見せない状態が長く続いていることで、お墓にお金をかけるほどの余裕がない人々が増えており、そういった人々からのニーズに応える形で、墓所の区画面積は年々小さくなってきています。
また、少子化と核家族化によって、一世帯あたりの家族数が少なくなったことは、広い納骨スペースを確保する必要もなくなったということであり、これも墓所小型化の要因の1つです。

小さなお墓のメリット

墓石の小さなお墓のメリットは、お墓を建てる際の金額が安く済むことです。お墓の値段は、才数計算といって、約30.3cm(1尺)角のサイコロをどれくらい使ったかによって算出された数字で決まります。そのため、墓石が小さいお墓はその分安い値段で建てられるのです。

また、墓石が小さいお墓は区画も狭いことが多く、掃除をするのが楽であるというメリットにもつながります。広大な区画のお墓は落ち葉などのゴミを掃除するだけでもひと苦労ですが、コンパクトな区画であれば掃除も楽になるでしょう。

小さなお墓のデメリット

小さなお墓のデメリットとして、お墓を建てる費用の総額が安いと、区画の面積自体が小さくなり、墓石に使用する石材の量や種類が限られてしまう場合があることが挙げられます。

また、デザインの自由度も低くなりがちです。小さな区画では、墓石のデザインがあらかじめ決められていることがあり、その場合は、故人への願いを込めたデザイン墓石などを建てることはできなくなります。
さらに、小さなお墓が並ぶような安い区画は、霊園の入り口から遠かったり、駐車場から離れていたり、急な階段を使わなければいけなかったりというように、お参りをするうえで大変になってしまうことも多いです。



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まとめ


この記事では、お墓のサイズを決めるにあたって、その際に使われる単位やお墓の種類、考慮すべきところなどについてご紹介しました。お墓を建てるときには、後々後悔してしまわないように将来のことまで見据えたしっかりとした計画を立てることが必要でしょう。

お墓に関するご相談は和泉家石材店にお任せください。和泉家石材店は全スタッフがお墓ディレクター1級・2級の資格を取得しています。また、全優石より技術・サービスにおいて一級品と認定されており、お墓のご提案からアフターケアまで一気通貫でサポートさせていただきます。お墓のご購入を検討されている方は、和泉家石材店にぜひご来店ください。



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「心のかようお墓づくり」

和泉家石材店のスタッフはお墓を建てる時、そして そこから始まるおつきあいを気持ちよく、末永くさせていただきたいという気持ちから“心のかようお墓づくり”をテーマに心のこもったサービスの提供とお客様のニーズへの対応に全力で取り組んでいます。お墓を建てる時はもちろんのこと、法事の際などにも独自のサービスを提供しております。

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