墓参りに向いているお花とは?備えるマナーや避けるべきお花もご紹介

2020年11月24日

お盆やお彼岸に、故人の眠るお墓を訪れて冥福を祈り、お花をお供えすることがあるでしょう。このとき、お花を生けるだけではない、さまざまなルールやマナーが存在しているのをご存知でしょうか。
この記事ではお墓参りの際におすすめの季節のお花から、お花の供え方・回収の仕方までをご紹介します。


墓参りに向いているお花

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お墓参りでお花をお供えする意味は?


お墓参りで故人とご先祖様にきれいなお花をお供えすることには、手を合わせる自分自身の心、そして故人とご先祖様の心を清らかにするという意味があります。

花は人の一生における無常観を表現するとされています。生けたばかりの花は瑞々しく美しいですが、やがて枯れてしまえば、命の力を感じ取ることができません。仏教ではこうした短い花の一生に、人が一生を迎える様子を重ねて表しているのです。

また別の説では、土葬が一般的な埋葬方法だった頃に、ご遺体を動物が荒らさないように毒性のある植物や匂いのある植物を一緒に埋めていた習慣の名残とも言われています。


お花を供える際のマナーやポイント

お花を供える際のマナーやポイント

ここからはお花をお供えするマナーやポイントについて具体的にご紹介します。なお、ここでご紹介するマナーやポイントは一般的なものです。宗派やお寺や霊園で独自のマナーがある際にはそちらに従う方が良い場合もあるため、ご注意ください。

左右対称にお供えする

お花をお墓に供えるときは、左右対称に飾ることが基本です。左右対称に飾らないと見た目が偏ってしまい見栄えが美しくありません。そのため、花束は2束で1セット用意し、お墓の左右に備えられた花立てにお供えしましょう。対称形にするのは、円を連想させ永遠や不変という意味を持つため、という理由もあるようです。

奇数の数でお供えする

お供えするお花の本数は奇数に揃えることが良いとされています。古代中国で伝承されてきた考え方では、割り切ることの出来ない奇数を縁起物として扱う習わしがあったためです。古代中国では、偶数=陰数、奇数=陽数とされていました。また、残された人達がいつまでも割り切れないように、という意味も込められています。

故人の気持ちを大切にしてお供えする

お墓参りでお供えするお花の種類や色に関しては厳格な決まりごとはありませんので、華やかな色のお花を選んでも問題ありません。近年では厳かな色のお花よりも、鮮やかで美しい色のお花の方が選ばれる傾向にあります。従って、お墓参りのお花で迷ってしまった時は、故人の好きだったお花の種類・色を優先にお花を用意すると良いでしょう。ただし、バラのように棘のあるお花など一部お供えするのを避けるべきとするものもあるため、後ほど詳しくご紹介します。

葉の部分を水につけない

お花を生ける際には、葉の部分が水に浸からないようにします。葉が水に浸かるように生けてしまうと日持ちせず、すぐに枯れてしまうためです。水に浸かってしまった葉は痛みが他の部分よりも早くなってしまう上に、水中にバクテリアが繁殖しやすくなるためです。そこで、お花を生ける時には水に浸かってしまいそうな葉を取り除き、茎の部分だけが水に浸かるようにして生けましょう。

根元の切り口部分を取る

一度花立て内でバクテリアが繁殖してしまうと、バクテリアが花の切り口を塞ぐようになってしまいます。すると、花は水を吸うことが出来なくなり、やがて枯れてしまいます。そこで、花を少しでも長持ちさせるために茎の切り口を斜めに切り、水に触れる表面積を大きくします。この処置により、バクテリアが切り口を塞ぎきってしまうことを防止し、お花を長持ちさせることができます。

お花を参拝者の方に向けて供える

お花の向きは、お花を参拝する人へ向け、全体の見た目がひし形となるように整えましょう。ひし形に整えることで生けたお花の見た目が美しくなります。

ちなみに、お花の向け方には、お墓の方へ向ける「向上相」、全方位に向ける「向中相」、参拝者=供養する側に向ける「向下相」の3つが主流です。お墓参りで一般的な向下相には、供養する側の心身を清めてご先祖様にご挨拶するという意味があります。



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季節ごとでお供えするお花のおすすめ

季節ごとでお供えするお花のおすすめ

どんな季節であってもお供えのお花に「菊」は欠かすことが出来ないというイメージがあるかもしれません。ところが、菊が絶対に必要という決まりや習わしはないようです。1年通して菊が選ばれる理由は、「邪気を払うとされている」「長持ちする」「花びらや花粉で周りを汚すことがない」ということからです。さらに、小菊・輪菊・スプレー菊・ピンポン菊など様々な品種があること、1年通して手に入りやすいことも、四季を通してお供えの定番のお花として定着している理由です。

では、季節ごとのお参りで菊の以外のお花をお供えしたい時、どのようなお花を選ぶべきでしょうか。実は、これも菊同様に決まりはありません。選び方のポイントは「長持ちする」「枯れても散らかりにくい」お花です。ここからは、季節ごとのお供えでおすすめのお花をいくつかご紹介します。

春におすすめのお花

春はお彼岸でお墓参りのシーズンです。お彼岸はこの世とあの世の距離が近づく日で、あの世に近ければ近いほど供養に良いとされています。そんな春のお供えにおすすめのお花は、キンセンカ・スターチス・菜の花・カーネーション・桜(啓翁桜・東海桜)などです。ここでご紹介したもの以外にも春の時期に開花するお花は数多くあり、お供えできるお花の種類はとても豊富にあります。

夏におすすめのお花

夏はとくにお花が傷みやすい季節なので、炎天下でも長持ちするお花を選ぶことがポイントです。夏のお花の中でも定番の菊はきれいに長持ちするため特におすすめです。その他の夏のおすすめのお花は、スターチス・リンドウ・ホオズキ・ラン・カーネーションなどです。お盆にお墓参りをしてご先祖様をお迎えする際、伝統に習うのであれば白いお花をベースに淡い紫やブルーを混ぜたものが良いとされています。

秋におすすめのお花

秋には春と同じようにお彼岸があり、お花も数多く開花する時期です。そんな秋のお供えにおすすめの花は、キキョウ・コスモス・すすき・センニチコウ・リンドウ・ワレモコウなどです。コスモスやワレモコウといった季節のお花を取り入れ、少し明るい色を入れることで秋らしいお花になるでしょう。

冬におすすめのお花

冬にお供えする花には寒さに強いものを選びます。冬は寒さが厳しい季節なので選べるお花が少なくなりがちですが、寒さに強いストック・梅の花などがおすすめです。
ちなみに、夏や冬などお花にとって厳しい季節には生花ではなく造花にしても問題ありません。霊園によっては枯れやすい生花ではなく造花でのお供えを前提としている所も増えてきているようです。しかし、造花でお供えをしても構わないという認識が共有できていないと、造花でのお供えが手抜きと見られ、思いがけないトラブルを招く恐れがあります。お墓参りでは、周囲への配慮を怠らないことが重要です。



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お供えすることを避けるべきお花

先にご説明した通り、お墓参りにお供えするお花には特別な決まりごとはありません。しかし、お墓に供えることを避けるべきとするお花もいくつか存在しています。ここからは、お供えを避けるべきお花とその理由・注意点について解説します。

・毒性の強いお花
お寺や霊園のお墓にお供えしたお花は親族以外にも誰が触れてしまうかわかりません。従って、ヒガンバナ・スズラン・スイセンのような毒のある種類をお供えすることは避けましょう。

・鋭い棘を持つお花
鋭い棘を持つお花も毒性の強いお花と同様の理由で、ふとした時に誰かが触れてしまい怪我をさせてしまう恐れがあります。バラは大変人気のお花ですが鋭い棘を持っているため、お墓参りのお供えでは避けるべきでしょう。

・つるが伸びる花
つるが伸びる種類のお花は放置すると地面を這うようにつるが伸びてしまい、お墓周辺の見た目を非常に悪くしてしまいます。時には、お隣のお墓の敷地までつるが伸びて迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。つるが伸びる花にはアサガオやクレマチスなどがあり、これらのお花のお供えは避けるようにします。



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お花以外でお供えすることが可能な植物

お花以外でお供えすることが可能な植物

お墓参りでお供えするお花は故人の好みを反映し、さらに参拝する親族の気持ちを明るくするような鮮やかな色で彩られたお花にすると良いでしょう。なお、色が多い花束には緑色の葉物を入れることで見た目を引き締める効果があり、よりいっそう美しい花束にすることができます。お供えの花に加える葉物には定番があり、以下の植物がよく用いられています。

榊(さかき)はその名が表す通り神様に捧げる植物で、神道の神事やお供えに使われる植物です。神道に馴染み深い榊ですが、今では宗教的な意味合いはあまり意識されず、仏教式のお墓のお供えにも用いられています。お花屋さんでは菊の花と並んでお供えの定番となっています。
榊は比較的温暖な地域に自生するため、生息地域以外では椿や松の枝が代用されていた時代がありました。今では国産品・輸入品問わず全国に流通しており、国産の榊の方が長持ちする傾向にあります。

樒(しきみ・しきび)は仏教の法事などでお供えされる植物で、神道における榊と同じような植物です。樒の香りには古来より魔除けの作用があると信じられていて、葬儀の際にはお清めの役割でお供えされます。

樒には強い毒・強い香りがある植物なのですが、お供えによく用いられています。これは、ご遺体を土葬していた時代に、埋葬した付近に毒性のある樒を植えることで、動物にご遺体が荒らされるのを防いでいたという歴史があるからです。さらに、樒の強い香りはご遺体の腐臭を和らげることにも役立っていました。



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お供えしたお花の回収時期

ここからはお供えしたお花の回収時期や方法についてご紹介します。

故人やご先祖様が眠るお寺や霊園が通いやすい距離であれば、常に新しいお花をお供えすることは可能かもしれません。しかし、お寺や霊園まで頻繁に通うことが難しい場合にはお供えしたお花を取り替えるどころか、適切な対応を取らないと枯れるまで放置することになってしまいます。

お寺や霊園によっては、お供えしたお花の手入れや処分を代行してくれる場合もあります。それができない場合や、後日お墓を訪れてお花の手入れや処分ができない場合には、お墓参りの間だけお花をお供えし、帰る際にはそのお花は持ち帰るようにすると良いでしょう。

持ち帰ったお花を自宅に持ち帰り自分たちのために飾ることには何の問題もありませんが、仏壇にお供えするのは好ましくありません。そのお花は一度故人・ご先祖様にお供えしたものであり、再び仏壇の仏様にお供えするのは失礼に当たるとされるためです。


お供えしたお花を長持ちさせる方法

お墓参りでお供えしたお花はお手入れ次第で長持ちさせることができます。一般的に傷みやすいとされる切り花でも、ほんの少しの工夫で長持ちせることが可能です。ここからは、お花をお供えする際に是非試して頂きたい、お花を長持ちさせる方法をご紹介します。

・水換え
先にご説明したように、お供えしたお花が痛む原因の多くは「花立て内の水にバクテリアが繁殖する」ためです。バクテリアが繁殖した水に生けたままだと、バクテリアの悪影響でお花は水を吸えなくなり枯れやすくなってしまいます。「葉を水につけない」「根本の切り口を斜めに切る」といった対策も有効ですが、最も効果があるのが花立ての水を毎日交換することです。水を新鮮なものに交換することで、バクテリアの繁殖を最低限に防ぐことができます。このとき、お花の茎に付着しているぬめりを水で洗うことで、よりバクテリアの繁殖を防ぎ、清潔な水を保つことができます。

・10円玉や漂白剤をいれる
花立ての水に10円玉を入れると、銅イオンが発生して水中のバクテリアや細菌の繁殖を防ぐことができます。水中に溶け出した銅イオンが細菌の活動を抑制し、非常に高い殺菌効果をもたらすためです。同様に、塩素系漂白剤にも、細菌の活動を抑制する効果あるとされています。塩素系漂白剤を利用する場合、200CCの水に、1~2滴の割合で漂白剤を混ぜます。なお、ホームセンター等で入手できる花用の延命剤でも同じ効果があるようです。なお、これらの方法は効果が認められているとはいえ、バクテリアや細菌の発生を完全に防ぎ、全く水が腐らなくなるわけではありませんので注意してください。



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まとめ


お墓参りでお供えする意味とマナー、そして季節ごとのおすすめのお花についてご紹介しました。お墓参りのお花にまつわるマナーや作法は一般的なものですが、宗派や地域によってマナーや作法に違いがある場合があるので注意してください。マナーや作法に違いがあっても、故人やご先祖様の冥福を祈る気持ちはなんら変わりありません。お供えするお花には安らかな眠りと日々の感謝の気持ちを込めることが何よりも重要です。

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