仏壇の正しい選び方
2018年1月31日
仏壇は、家の中にある小さなお寺のような存在として知られています。位牌やご本尊様を祀ってご先祖様や故人を偲び、祈りを捧げる場所でもあります。
和室や仏間がないから仏壇は不要と言い切らずに、現代における仏壇の種類を覚えておきましょう。
そもそも仏壇って何?
仏壇は、仏様やご先祖様のお家のようなものです。寺院にある仏壇を小さくして、厨子と一体化させて箱形にしたものをいいます。
仏壇は、下台と上台に別れており、まわりは動植物、菩薩、天人などの彫物や蒔絵などがほどこされ、荘厳に飾られています。これは浄土を表しているとされています。
下台に「須弥壇」と呼ばれるくびれがあり、これより上は仏の世界、下は現世を表しています。その上は「宮殿」と呼び、この中には仏像、仏画、位牌などを祀ります。
ご先祖様が、仏様のお力によって浄土に導かれている様子を表しているのです。
仏壇の種類
大きく3種類あります。
●金仏壇
全体が黒い漆塗りが施され、内部には金箔が張ってあるものがほとんどです。金仏壇というと浄土真宗で主に使うとされていますが、その他の宗派でも使うことはできます。
金仏壇をつくるにあたり、多くの職人の技術が集められています。
・木地師 ・宮殿師 ・屋根師
・彫刻師 ・塗り師 ・呂色師
・金箔押師 ・蒔絵師 ・彩色師
・錺金具師 ・仕立師 ・組立師
などです。
これが金仏壇を伝統工芸品、高級仏壇とする理由であり価格も高めです。
●唐木仏壇
中国が唐と呼ばれていた時代に東南アジアから輸入された銘木で、日本では産出されないもので仏壇を作っていました。また、黒檀、紫檀は昔から唐木と呼ばれていたことから唐木仏壇と呼ばれるようになりました。
木材の色や木目などを生かして作られており、その種類や材質によって値段が変わります。
代表的な木材の種類
・黒檀
・紫檀
・桑
・欅
その他には、柿、桜などもあります。同じ材質でも色が全く違う場合もあるので、一度、販売店に足を運んでみるのもいいでしょう。
●家具調仏壇
現代のライフスタイルに合わせた仏壇です。昔の家と違い和室や仏間がない家が多く、昔ながらの唐木仏壇が部屋の雰囲気に合わないということがあります。
家具調仏壇は見た目が仏壇とわからないデザインもあり、インテリアとしての役割もあります。家族の集まるリビングなどに置いて、自然に仏壇と向き合うことができます。
設置場所
仏壇を置く場所はとても重要です。
・仏間・・・理想的な場所です。
・床の間・・・家の中で最も上座とされている部屋です。
・居間・・・家族の集まる場所です。
・洋間・・・和室のない家の場合です。
注意点
・直射日光が当たるところは避ける
・暖房の熱、エアコンの風が直接当たるところは避ける
・通気性の悪いところは避ける
・トイレ、浴室、洗面所などの不浄物があるところは避ける
・神棚と置く場合は向き合って置かない
・仏壇の真上に神棚は置かない(ずらして置く)
などです。
家族全員が自然に目を向けられる、自然に拝める場所を選ぶことが大切です。
位牌の購入時期と処理方法
位牌に刻まれる文字は、機械彫りと手彫りがあります。どちらも注文してから完成するまでに時間はかかりますが、手彫りは数日かかる場合もあります。位牌が必要になった場合は、余裕をもって早めに注文しておくとよいでしょう。
また、不要になった位牌は、菩提寺に持っていくとお焚き上げをして処分してもらえますのでお願いしましょう。
まとめ
仏壇は、仏様やご先祖様を祀るのはもちろんのこと私たちが仏壇に向かって合掌し、拝むという習慣を忘れないためでもあります。現代人はものすごく多忙です。そのなかで、祈りを捧げる時間と場所を確保するのは難しいかもしれませんが、その気持ちを忘れることはありません。
これは言葉で伝えていくものではなく、目で見て心で感じて受け継がれていくものなのです。自分が幼い頃、家族の誰かが仏壇の前で拝んでいる姿を目にしていると思います。そしてそれは自然に身に付いているはずです。ご先祖様への気持ちを忘れずに毎日仏壇に手を合わせたいものです。